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ポルシェの新型「911 カレラ」(992型)試乗、ベーシックグレードで高い満足度が味わえる - Car Watch

カレラSとの違いは?

 火が入ると同時に後方から耳に届くエンジン音は、いかにも911らしいサウンド。2014年シーズン以降のF1用パワーユニットがそうであるように、排気エネルギーの回収装置であるターボチャージャーが付加されたエンジンが放つ音色はどうしてもその迫力が削がれがちな中で、911のそれはカレラ系にもターボが加えられた先代991型の後期モデル以降でも、「意地でも911サウンドを守り抜く」という思いが実感できる見事な仕上がりを実現させているのだ。

 そろそろとスタートする段階での力強さは、「カレラSとの違いは全く感じられない」と評していい印象。トランスミッションには、効率の高さとトルクのダイレクトな伝達感が売り物のDCTを採用するものの、発進の滑らかさやその後の変速時のシームレスな動作、そしてノイズの小ささなど、このタイプのトランスミッションが苦手としがちな微低速シーンでも、文句ナシのでき栄えだ。

「前モデルに対して11%早めた」と紹介されるステアリングギヤ比の採用もあって、街乗りシーンでも取り回し性に優れている一方、それでもその敏捷性がSグレードよりもわずかに落ちるように思えたのは、恐らく以前経験したカレラSのテスト車が、オプションのリアアクスルステアリング装着モデルであったからだ。

 そして実は、このアイテムはベーシックグレードであるカレラに対しては設定されていない。後輪が最大2°まで切られ、小回り性能をより向上させるこのメカニズムのチョイスができないのは、ちょっと残念なポイントだ。

 一方、アクセルペダルを深く踏み込むほどに、そしてエンジン回転数が高まるほどにその差を顕著に感じられるようになってくるのが、エンジン出力の違いだ。

 もちろん、特に日本の環境下においてはベーシックなカレラであっても、「絶対的な動力性能は十二分」と言えることは間違いない。見方によっては、「エンジン回転数が高まり、サウンドを含めてフラット6エンジンならではのフィーリングが特徴的になる領域を、カレラS以上に高い頻度で味わうことができる」と、そんな表現での紹介も可能かもしれない。

 そもそも、0-100km/h加速タイムが4.2秒、最高速が293km/hというデータも証明するように、新型911シリーズで最もベーシックなカレラ・クーペでも「世界一級のスポーツカーとして十分満足に足る動力性能の持ち主」であることは間違いない。ただしそれでも、3.7秒と308km/hというデータを持つカレラS・クーペと直接比較すれば、「その差は歴然」というのもまた事実、ということになるわけだ。

 もちろん、常に濃厚な4輪の接地感や正確無比のハンドリング感覚など、新型911ならではと言える基本的な走りの美点は、ベースグレードとは言っても何ひとつ変わることはない。カレラSの350mm径に対して330mm径と、前後のディスクローター径がわずかに小さくなったことが報告されるブレーキのフィーリングも、相変わらず信頼感に富んだ911クオリティをキープしたままだ。

 こうして、さまざまな部分を検証してくると「なるほど日本では、このモデルに人気が集まるのもさもありなん」と思えてくるのが“素のカレラ”。今後も数多くのバリエーションを展開してくるに違いない最新911シリーズの全てのモデルに、ひと際の大きな期待感を抱くことができるのは、結局のところボトムグレードに位置するこのモデルであっても、すでに高い満足度が味わえる仕上がりレベルが達成されているからこそでもあるわけなのだ。

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July 14, 2020 at 09:35AM
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