不安定な答弁で野党の標的となっている北村誠吾地方創生担当相(73)が、7日の衆院予算委員会で迷走答弁を連発、怒った野党議員が退席し、委員会を機能不全に陥らせた。

立憲民主党の黒岩宇洋氏が「桜を見る会」に絡み、公文書の保存期間について担当の北村氏に質問。「質問内容は通告した」と説明を求めたが、北村氏の答弁は二転三転、大迷走。質問されても、自席できょとんとしたり「確認している。しばらくお待ちください」と人ごとのように答え、背後から必死に耳打ちする官僚の努力も水泡と化した。

北村氏の対応には、与党寄りと批判される棚橋泰文委員長まで「簡潔にお願いします」と、いらつく始末。質疑はかみ合わず、日本維新の会以外の野党は「だめだこりゃ」と退席した。与党は「職場放棄」と批判したが、審議は事実上、打ち切りに。10日の審議に備えて、9日の北村氏の秋田県視察は、中止された。

岸田派の北村氏は昨年9月の内閣改造で、72歳&当選7回で初入閣。在庫一掃人事の一環で、当時から「桜田(義孝)級」と答弁は不安視されていたが、自民党でも「まさかここまで」(関係者)と嘆きが漏れる。ただ「桜」は、安倍晋三首相の問題だ。予算委メンバーの自民党の石破茂氏は自身のブログで「ご自身が大臣として対応していた時のことでもない問題で追及されるのを見ると、同情を禁じ得ない」と、首相をあてこすった。【中山知子】