勤務先の大手通信会社の社外秘の機密情報をサーバーにアクセスして不正に得たとして、警視庁公安部は25日、不正競争防止法違反の疑いで、千葉県浦安市、同社元社員、荒木豊容疑者(48)を逮捕した。調べに対して容疑を認め、在日ロシア通商代表部職員に機密情報を渡したことも大筋で認めているという。公安部は機密情報がロシア側に渡ったとみて、全容解明を進める。
公安部は同日、外務省を通じて、在日ロシア通商代表部のこの職員と元職員の出頭を要請した。捜査関係者によると、職員は50代で外交特権を持っており、元職員は平成29年にロシアへ帰国しているという。
公安部によると、荒木容疑者は「職員から複数回、現金をもらった。小遣いがほしかった」などとも供述。公安部は荒木容疑者が飲食の接待も受けていたとみている。
逮捕容疑は平成31年2月、勤務する通信会社のサーバーにアクセスし、社外秘に指定された機密情報など2点の資料データを不正に取得したとしている。
捜査関係者によると、荒木容疑者は当時、会社の通信関連業務を統括するような立場で、職務上、サーバーへのアクセス権限があった。不正に取得した資料データは記録媒体に移したとみられる。
公安部はほかの時期にも荒木容疑者が機密情報を不正に取得し、職員らに渡していた可能性もあるとみて、詳しい経緯を調べる。
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2020-01-25 10:35:54Z
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