世界の人が安心して口にできるものを!
1月24日、岩手県二戸市の事業者団体らが、国内では初となる「フードダイバーシティ宣言」を行いました。ヴィーガンやハラールなど、世界の人々の食の多様性に関する対応を推進し、今後さらなる増加が見込まれる訪日外国人から選ばれる街づくりを目指すとしています。
世界には、宗教上の理由から口にできるものが限られていたり、自らの生を全うする上での食に対する哲学などから、食べることができないものがあったりする人々が少なくありません。そうした人々の存在や守られるべき尊厳には、注目が集まり始めていますが、一方で“食”は、地域が世界の人々と生きたコミュニケーションをとるための重要なツールやきっかけであり、観光の魅力要素としても、非常に大きなウェイトを占めるものです。
そのため、世界標準の多様性に対応できるかたちでの地域グルメの提供や食産品展開が求められるものの、個々の企業や店舗では対応が困難であることもあり、必要性が意識されても取り組みが十分には広がっていかない状況があります。
こうした現状に対し、二戸市は、市や岩手県北広域振興局、JETROといった行政と、地域経済を牽引する市内民間事業者らでタッグを組み、団体として“フードダイバーシティ(食の多様性)”を進めていくことを宣言しました。このように食の視点から世界標準の街づくりを目指す、市全体での取り組みは異例で、今後の展開が期待されるものとして、全国からも注目されています。
日本酒や南部せんべいなど特産品をPR
参加する事業者には、日本酒蔵元の株式会社南部美人や、テレビ東京「カンブリア宮殿」の出演でも脚光を浴びた南部せんべいの老舗、株式会社小松製菓、上質なブランド豚「折爪三元豚 佐助」や親鶏の鶏肉「熟レ鶏」を飼育・販売する久慈ファームといった顔ぶれがそろっています。
南部美人では2013年にコーシャ認証を取得、2019年1月に全商品でヴィーガン認証を国内外で取得し、誰もが美味しく味わえる地元の日本酒を提供し始めました。小松製菓の南部せんべいも5商品が2019年12月にヴィーガン認証を取得し、ヴィーガンの人もオリジナルの味を楽しめるようにしています。
久慈ファームは豚と鶏の飼育を完全別地域とし、「熟レ鶏」で今後ハラール認証を申請する予定です。イスラム教の戒律に従って処理された鶏肉となれば、安心して口にできる人が増え、名産品ファンを増やすこともできるでしょう。
「SDGs」の理念にも則った活動で街を活性化!
こうしたフードダイバーシティを街全体の取り組みとして推進することは、特定の国や思想、主義、文化、宗教などにとらわれず、世界のさまざまな人々を受け入れることができる都市を目指しているという点を国内外にアピールでき、より魅力を増した地域として、安心して訪れられる環境の地域として、認識してもらえるようになる大きな一歩と考えられます。
取り組みを進める「二戸フードダイバーシティ宣言」事務局では、インバウンドの取り込みと輸出推進につながることを期待するほか、国連が掲げる「SDGs(持続可能な開発目標)」の「誰も置き去りにしない」理念に則った活動にあたるとも考えているといい、大いに意義のあるものとして、今後さらに拡大させるなど、積極的に推進していきたい方針を示しています。
世界標準で選ばれる商品づくり、街づくりによる地域振興の新たな動きとして、さらなる波及が期待されます。
(画像はプレスリリースより)
インバウンド受け入れ環境整備を資料で詳しくみてみる
▼外部リンク
「二戸フードダイバーシティ宣言」事務局によるプレスリリース(アットプレス)
https://www.atpress.ne.jp/news/202278
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January 30, 2020 at 07:58PM
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