神戸市内で指定暴力団山口組直系「弘道会」系組員を銃撃し重傷を負わせたとして対立組織の神戸山口組直系「山健組」組長の中田浩司容疑者(60)が逮捕された事件で、兵庫県警が実行犯とみられる男の顔を捉えた防犯カメラ映像の鑑定を複数の大学に依頼したところ、いずれからも「組長本人の可能性が高い」という趣旨の回答を得ていたことが4日、捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、県警は中田容疑者が逃走後、犯行時に乗っていた黒いバイクから白いバイクに乗り換え、神戸市内の自宅に戻ったとみて捜査。付近の防犯カメラ映像の解析で、路上を走行するバイクや中田容疑者宅に入る男の姿を確認した。県警が中田容疑者の顔写真と男の顔を捉えた映像を東京都内と京都市内に本部を置く2つの私立大学の研究機関に提出し鑑定を依頼したところ、いずれからも「中田組長本人の可能性が高い」とする内容の回答があったという。
事件は8月21日午後6時15分ごろ発生。弘道会系組員(51)が、組事務所に車を止めようとしたところ、黒いバイクに乗ったヘルメット姿の男に拳銃で銃撃され、腹や腕などに全治3カ月の重傷を負った。
山健組は山口組5代目組長や神戸山口組組長の出身母体で、現在は神戸側の中核組織。中田容疑者は神戸山口組で「若頭代行」の役職にも就いていた。
山口組と神戸山口組をめぐっては今年4月以降に対立抗争が激化。11月までに神戸山口組側の組員3人がいずれも山口組関係者に殺害された。警察当局は両組織をより規制の強い「特定抗争指定暴力団」に指定するための準備を加速させており、当初は年内の指定を目指していたが、現在は1月7日前後の指定に向けて作業を進めている。
2019-12-04 06:27:00Z
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